クリア(クリヤー)塗装とは?特徴や適した外壁や注意点を解説!
2023/01/20
クリア(クリヤー)塗装は、外壁のそのままの質感を残したまま塗装ができる流行りの塗装方法です。
しかし、詳しくは知らないという方も多いでしょう。
そこでこの記事では、クリア塗装がどういったものなのか、主な特徴を挙げて説明しています。また、クリア塗装が適した外壁や注意点についても紹介しています。
この記事を読めば、クリア塗装について深く理解できるようになるはずです。
Contents
クリア塗装とは?
クリア塗装とは、仕上げ剤であるクリア塗料を使用して塗装する方法のことです。
クリア塗料は無色透明なので塗っても外壁の色合いなどが上書きされず、もともとの外壁の良さを活かしたまま塗装ができます。
クリア塗装の特徴5つ
クリア塗装の特徴は、主に以下の5つです。
- ・外壁のデザイン性を活かせる
- ・外壁の光沢が出る
- ・建物を保護する性能を高められる
- ・チョーキング現象が発生しない
- ・塗装回数は2回
外壁のデザイン性を活かせる
クリア塗料は前述の通り無色透明の塗料のため、外壁のデザインや色合いをそのまま活かして塗装できます。
例えば、レンガ調の外壁であった場合、通常の色のついた塗料を使うとレンガの風合いが損なわれてしまう可能性があります。模様が消えてしまったり、色が変わってしまったりするからです。しかしクリア塗装を使えば、もともとのレンガ風の良さを活かしたまま塗装ができます。
外壁の光沢が出る
クリア塗装をおこなうと、外壁の光沢が出ます。もちろん塗装をする際は洗浄もおこないますので、新築に匹敵するほど輝きがよみがえります。
建物を保護する性能を高められる
クリア塗料には、防藻性・防カビ性や撥水加工といった性能を持つものがあります。そのため、クリア塗装をすると建物を保護する性能も高められます。
チョーキング現象が発生しない
チョーキング現象とは、外壁塗装が劣化すると現れる、手や衣服などにチョークの粉のようなものが付着する現象です。これは、もともと塗料に含まれていた顔料が粉状になって表面に現れてくることで発生します。しかし、クリア塗装にはそもそも顔料が含まれていません。無色透明の塗料のため、色をつけるための顔料を必要としないのです。顔料を含まないクリア塗装は、劣化してもチョーキング現象が発生しないので、手や衣服を汚さなくて済みます。
塗装回数は2回
一般的に塗装は、素材などでも変化しますが、下塗り、中塗り、上塗りの計3回の塗装が必要となります。しかし、クリア塗装は下塗りが不要なため、塗装回数が2回です。通常の塗装回数より減るため、その分の工数や費用も削減できます。
クリア塗装が適した外壁は?
クリア塗装が適した外壁は、以下の3つのような外壁です。
- ・デザイン性の高い窯業系サイディング外壁
- ・モルタルやコンクリートの外壁
- ・木材部分がある外壁
デザイン性の高い窯業系サイディング外壁
窯業系サイディングはデザイン性が高く、そのデザインをそのまま残すことができるクリア塗装に最も向いていると言われています。
窯業系サイディングとは、日本の外壁の中でも主流となっている外壁材です。レンガ調や木目調、石目調などデザインの種類が豊富なので、多くの住宅に取り入れられています。
このような外壁は、クリア塗装であればデザイン性が損なわれずに済みます。
モルタルやコンクリートの外壁
クリア塗装は、モルタルやコンクリートの外壁にも適しています。最近では、モルタル用のクリア塗装も登場しているので、モルタルの素材の良さを活かしたまま耐久性を上げられます。また、コンクリートの外壁も、クリア塗装によって汚れにくくしたり雨風の侵入を防いだりすることができます。
木材部分がある外壁
クリア塗装は、窓枠やウッドデッキなどの木材部分がある外壁にも適しています。通常、木材部分は防水性が低いなどの理由から、耐久性が低いと言われています。しかしクリア塗装をすることで、木材部分も耐久性を上げることが可能です。
クリア塗装を行う際の注意点
シーリングの上にはクリア塗装できない
シーリングは、窯業サイディングやALC外壁などパネル状の外壁材同士の隙間を埋めるために使用します。
シーリングを行うことで隙間から雨水の侵入を防ぎ、また振動が起こった際の外壁材同士の衝突を避けて緩衝材の役目も果たしています。
このシーリングの上にクリア塗装を塗ってしまうと塗膜の剥がれの原因となるため注意が必要です。そのためクリア塗装を行う際には、クリア塗装→シーリング工事の順番となります。
通常はシーリング工事→外壁塗装となり、シーリングの上から塗装を行うことでシーリングを保護することも可能です。
補修跡を隠せない
外壁にクラック(ひび割れ)や剥がれがある場合、モルタルやシーリングで補修を行ってから塗装を行います。通常なら上から塗装を行うことで、補修の跡を隠すことができますが、クリア塗装では補修の跡を隠すことはできないため補修跡が目立ってしまいます。
クリア塗装が向いてない外壁に塗装すると剥がれの原因となる
クリア塗装は、窯業系サイディングやモルタル、コンクリートの塗装には適していますが、光触媒や撥水処理など表面をコーティングされている外壁には向いていません。
このような外壁に上からクリア塗装を行うと、下地に塗料が密着せず、塗料が剥がれる原因となってしまいます。
外壁塗膜の膨れや剥がれを補修した施工事例
施工実績の中から、外壁にクリア塗装を行った例をご紹介します。
こちらの窯業サイディングにクリア塗装を行いました。下塗りで、下地強化剤を塗装し、UVプロテクトクリヤーにてクリア塗装で仕上げます。
続いて、玄関横の柱の塗装も行いました。日本ペイントの「ペリアート」」で吹き付け塗装を行います。
次に目地の塗装を行います。
目地に沿って細かく養生を行い、さらにその上から塗装をします。
養生を外したところです。わずかにはみ出た部分を塗って仕上げます。
さらに仕上げとしてプロテクトクリアーUVを2回塗装しました。
本来はクリア塗装は必要ない工程ですが、本来の外観に合わせるために使用しました。
こちらが完成の様子です。
現場住所 | 姫路市的形町的形 |
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施工内容 | 屋根塗装、外壁塗装、付帯部塗装、ベランダ防水塗装 |
使用塗料 | 柱の吹き付け:ペリアート(日本ペイント)、外壁と柱の仕上げ:UVプロテクトクリヤー(日本ペイント) |
こちらの施工実績の詳細は下記をご覧下さい。
まとめ
クリア塗装とは、もともとの外壁の良さを活かしたまま塗装ができる、仕上げ剤であるクリア塗料を使用した塗装方法のことです。主な特徴としては、以下の5つがあります。
- ・外壁のデザイン性を活かせる
- ・外壁の光沢が出る
- ・建物を保護する性能を高められる
- ・チョーキング現象が発生しない
- ・塗装回数は2回
また、クリア塗装が適した外壁は以下の3つです。
- ・デザイン性の高い窯業系サイディング外壁
- ・モルタルやコンクリートの外壁
- ・木材部分がある外壁
デザイン性の高い外壁や色味を大事にしたい外壁などは、クリア塗装がおすすめです。
しかし、クリア塗装が向いていない外壁や、ひび割れの多い外壁では補修跡が目立ってしまうという点に注意あります。
向いていない外壁にクリア塗装をしてしまうと、せっかく塗装をしたのに数年で剥がれてしまうこともあります。
外壁の状態をよく見極めてクリア塗装が向いているかどうか、的確な診断が行える外壁塗装業者に依頼すると安心です。
ぜひこの記事を参考に、検討してみてください。
【クリア塗装を行ったその他の施工実績の例】