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シーリング(コーキング)の種類や劣化症状、補修・メンテナンス方法について

2023/01/25

「外壁のシーリングの劣化が気になってきたけれど、どのように補修・メンテナンスをおこなえば良いのかわからない」とお悩みではありませんか。

この記事では、シーリングの種類や劣化症状、補修やメンテナンス方法について説明しています。
さらに、おすすめの補修方法についても紹介します。この記事を読めば、自分に合った補修方法がわかるはずです。

ぜひこの記事を参考に、シーリングの補修を検討してください。

シーリングの役目

シーリング(コーキングとも呼ばれます)は、外壁の目地や、サッシと外壁の隙間を埋めている白いゴム状のものを指します。

このシーリングにはどのような役目があるのでしょうか?
日本で最も使用されている外壁材は窯業系サイディングというものです。
これはパネル状になった外壁材を接ぎ合わせていく仕組みになっています。パネル状のため、どうしても継ぎ目が発生します。
このパネルとパネルの継ぎ目を目地をいい、この継ぎ目を埋めるのがシーリングの役目です。

外壁の目地の他にもサッシと外壁の隙間など、様々な隙間を埋める役割を負っています。
こうした継ぎ目や接合部にシーリングを施すことで、雨水や湿気が建物内部に浸入するのを防いでいます。
これにより、建物内部の構造や内装を雨水から守り、内部のカビの発生や腐食、そして雨漏りのリスクを低減しています。

他にも外壁に弾力性のあるシーリングを充填することで、地震などの衝撃を緩和する役目があります。
サイディングやALCパネルは衝撃によって割れやすく、衝撃を直接受けないように隙間を設けて設置します。そしてこの隙間を弾力性のあるシーリングで埋めることでシーリングが衝撃を緩和して、サイディング同士がぶつからないようにしているのです。

シーリングは外壁の隙間や継ぎ目を密閉することで、建物の気密性を向上させる役目もあります。
外気の侵入を防ぎ、暖房や冷房の効率を向上させます。

コーキングとシーリングの違い

外壁の部分補修(ひび割れ補修)

「コーキング」と「シーリング」は、建築や製造業界でよく使われる用語ですが、「どう違うのか?」と疑問に思われる方もおられるかと思います。
実際にお客様からもよく質問されます。
現在の日本では正式に「シーリング材」と呼ばれていますが、いまだに「コーキング」と呼ばれることがあるのは、最初に日本に入ってきたのが油性コーキングだったためです。
その後国内で多くのシーリング材が製造されて広く使用されるようになりますが、現在でもコーキングと呼ばれることがあります。

コーキング (Caulking):コーキング材料は合成油や天然油を鉱物を混ぜて製造されており、小さな目地をシールするために使用されます。
シーリング (Sealing):シーリングは、建造物などの構造体の目地や隙間を埋めるために充填し、防水性や気密性を高めるために使用されます。
シーリングの主な材料はシリコンや変性シリコン、ポリウレタン、ポリサルファイドなどです。
シーリングには、コーキングの他にも接着剤や防水材料などが含まれます。また、シーリングは単に密閉するだけでなく、強度や耐久性を向上させることもあります。
現在の外壁補修ではほぼ同じ意味で使用されていると考えて問題ありません。

シーリング材の種類

シーリング材には様々な種類があります。以下主な種類をご紹介いたします。
場所や用途に合わせて適切なシーリング材を選ぶことが重要です。もしも不適切なシーリング材を施工してしまうとすぐに劣化して施工不良になってしまいます。

シリコン系シーリング

耐候性、耐水性、耐熱性に優れており、キッチンや浴槽周りなどの湿気の多い場所や高温の環境に適しています。
上から塗装ができないため、外観の変更が必要な場合には適していません。

変性シリコーンシーリング材

シリコーン系よりも柔軟性が高く、伸縮性に優れています。
外壁のクラックや目地など柔軟性が求められる場所や、動きが発生する箇所に適しています。
シリコン系シーリング材と違って上から塗装が可能です。外壁補修によく用いられます。

アクリル系シーリング材

一般的な耐久性がありますが、シリコーン系やポリウレタン系よりも劣ります。
水性で作業性に優れますが、水分が抜けると硬化する性質があります。外壁や窓枠、ドアの継ぎ目などに適しています。

ポリウレタン系シーリング

耐久性が高く、硬化すると弾力性を持ち、密着性が高い特徴があります。しかし紫外線等への耐候性は弱いため、上から塗装で保護する必要があります。
外壁のひび割れ補修や目地の補修、建物の外部構造の密閉など高い耐久性が求められる場所に適しています。

ポリサルファイド系シーリング

耐久性が良く、表面にゴミや埃が付きにくい特徴がありますが柔軟性は低いため動きがある箇所には向いていません。
主にタイルや大理石の目地に使用されます。

シーリングの劣化症状

外壁の隙間などを防ぐシーリングですが、紫外線などによって経年劣化していきます。
外壁など外部に施工されたシーリングは外部環境の影響を受けやすいため、太陽光や雨水、風、温度変化などの自然要因によって劣化します。UV光による紫外線曝露や、雨水による浸食、気温変化による伸縮などが主な劣化の要因です。
外壁のシーリングの耐用年数は早くて5年~10年程度です。
新築から10年経過したらシーリングの補修を検討してください。

以下に主な劣化症状をご紹介します。
下記のような症状が見られましたら補修を検討してください。

シーリングの肉痩せ

シーリングの肉痩せ

シーリング材に含まれる可塑剤が劣化して溶け出し、シーリング材が痩せて隙間ができる現象です。
経年劣化やシーリングの施工時に充填するシーリング材が足りなかった場合に起こります。

シーリングのひび割れ

シーリングのひび割れ

シーリングが経年劣化して弾力性が失われ、家の振動に追従できなくなると細かいヒビ割れが全体に発生します。
ひび割れから水が入り込む可能性があるため、早めに補修してください。

シーリングの破断

シーリングの破断

ひび割れが進行すると真ん中に大きな亀裂が発生します。
シーリングが寿命を迎えている可能性が高く、雨漏りのリスクも高くなるため早急に補修を検討してください。

シーリングの欠落

シーリングの剥離

劣化したシーリングが剥がれ落ちてしまう状態です。
非常に雨漏りしやすい状態のためすぐにメンテナンスが必要です。

シーリングの劣化を放置しているとどうなるのか?

外壁やサッシの周りのシーリングが劣化しているのに放置していると下記のようなリスクがあります。

雨漏りの発生

意外と多いのがシーリングの劣化による雨漏りです。
シーリングは雨の侵入を防ぐ役割がありますので、劣化して隙間ができた状態を放置しているとその隙間から雨が入り込んで、内部まで浸食し、やがて雨漏りを起こしてしまいます。
雨漏りが発生すると建物の寿命が縮んだり、資産価値が低下してしまいます。
シーリングの補修は雨漏りから守るためにも重要です。

カビやシロアリの発生

シーリングが劣化して内部に雨が入りこむと、カビやシロアリの発生など二次被害も起こってしまうリスクも高まります。
カビの発生はアレルギーなどの健康被害を起こすこともあります。
塗れた木材はシロアリの好物でもあるため、シロアリによる浸食が進むと建物の強度が低下し、地震などで大きなダメージを受けてしまいます。

建物内部の腐食

こうした外壁からの雨漏りは発見が遅れがちで、気づいたときには内部が腐食していたということもあります。
木造の建物内部には柱など多くの木材が使用されており、入り込んで雨水が内部で滞留すると木材の腐食や鉄部の錆などが起こり、建物そのものの耐久性が低下してしまいます。

シーリングの補修・メンテナンス方法は2種類

シーリングの補修・メンテナンス方法は、以下の2種類があります。

・打ち替え
・増し打ち

それぞれどういった方法なのか、詳しく説明します。

打ち替え

打ち替えとは、既存のシーリングを全て撤去し、新たにシーリング剤を充填して補修する方法です。
既存のシーリングを撤去するには手間と時間がかかり、その分の費用もかかります。しかし、全てのシーリングを新しくするので、シーリング本来の効果を取り戻すことが可能です。

打ち替えに必要な費用は、既存のシーリングの撤去代・新しいシーリング代・高所作業用の足場代を全て含めて、約33〜45万円です。

増し打ち

増し打ちとは、既存のシーリングの上から新たなシーリング剤を充填して補修する方法です。劣化症状が少ない場合は、この方法で補修できます。

増し打ちは既存のシーリングを撤去する必要がないため、打ち替えよりも手間と時間がかからず、費用も抑えることが可能です。しかし、既存のシーリングと相性の悪いシーリングを充填してしまうとすぐ剥がれてしまうので、注意しましょう。

外壁シーリングの補修・メンテナンスは打ち替えがおすすめ

外壁シーリングの補修・メンテナンス方法は前述の通り2種類ありますが、おすすめは打ち替えです。打ち替えは完全に新しいものに入れ替えるため、シーリングの防水性や柔軟性を取り戻すことができ、家の耐久性をよみがえらせることができます。耐用年数も7~10年と長くなります。

一方で増し打ちは、耐久性を失ったシーリングを修復することはできません。あくまで上から充填しているだけなので、打ち替えほど耐久性を戻すことはできないのです。また、新しいシーリング剤は古いシーリング剤と馴染みにくいため、増し打ちした部分も徐々に剥がれていきます。耐用年数も2~5年程度です。1回の工事にかかる時間や費用は抑えられますが、総合的なメンテナンスの回数は増える可能性があります。

以上の理由から、増し打ちよりも打ち替えがおすすめです。

【外壁シーリング工事の施工事例】


長寿命でおすすめのシーリング材

一般的なシーリング材は耐用年数が7~10年ではありますが、中には長寿命のシーリング材も存在しています。

それがオート化学工業株式会社の「オートンイクシード」です。

オートンイクシードの画像

オートンイクシード

オートンイクシードは、新たに開発された特殊高耐久ポリマー「LSポリマー」が配合された、これまでにない耐久性耐候性を実現した「超寿命シーリング材」です。
新築・リフォームを問わず幅広い用途で使用することができ、長期にわたり建物を雨水の侵入から守ることができます。
その耐用年数は脅威の30年を誇っています。

通常のコーキングの耐用年数が10年前後であることを考えると、かなり高耐久であると言えます。

2014年に発売されたため、まだ実績はありませんが、外壁塗装を行うのであれば塗料と同じ耐用年数で揃えることで、無駄なメンテナンスを抑えることが可能です。

外壁シーリングの補修・メンテナンスは業者に依頼しよう

外壁シーリングの補修・メンテナンスは、必要な道具もホームセンターで揃えられるため、自分でおこなおうとする方も多いでしょう。しかし、業者に依頼する方が以下のようなメリットがあります。

・仕上がりが綺麗
・技術があるので確実
・高所作業も頼める
・外壁・屋根塗装も一緒に頼める

当然ですが、専門業者はシーリング補修に対する知識や技術、経験が豊富です。そのため仕上がりも綺麗になり、作業も失敗することはほとんどありません。また、足場が必要な高所作業も頼めるので、2階以上の部分のシーリング補修もまとめておこなえます。

業者へ依頼する際は、シーリング補修だけでなく、外壁・屋根塗装も一緒に依頼すると良いでしょう。というのも、外壁・屋根塗装のメンテナンス周期も約10年程度でシーリング補修の周期とほぼ一致しており、足場の設置も1度で済むので足場代の節約もできるからです。

業者への依頼はもちろん費用も手間もかかりますが、結果的に上記のような多くのメリットが得られます。

まとめ

外壁のシーリングは外壁材の隙間を埋め、雨漏りを防止し、外壁材への衝撃を緩和する重要な役割があります。
しかし紫外線などによって経年劣化するため、耐用年数は5~10年程度です。

シーリングが肉痩せやひび割れなどの劣化症状が見られたら、メンテナンスが必要なサインですので早めに補修を検討してください。

外壁シーリングの補修・メンテナンス方法は、打ち替えと増し打ちの2種類あります。
おすすめは、全て新しいシーリングに取り替える打ち替えです。

シーリングの補修をおこなう際は、業者に依頼しましょう。
業者への依頼は費用も手間もかかりますが、仕上がりが綺麗、技術があるので確実などのメリットがあります。

業者へ依頼すれば、外壁などの劣化状況なども正確に診断してもらえます。
診断だけであれば無料でおこなっている業者も多いので、まずは相談してみると良いでしょう。

塗装屋小幡では、お客様のご要望に合わせて様々な施工をご提案させていただきます。
外壁・屋根塗装をはじめベランダ・バルコニーの防水塗装や内装塗装、家具の塗装まで幅広く承っておりますのでお気軽にご相談くださいませ。

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