打ちっぱなしコンクリート壁のメンテナンス方法
2023/01/23
デザイン性に優れた打ちっぱなしの外壁ですが、美しさを強度を保つためには、こまめなメンテナンスが必要です。
しかし、「どんな方法で補修するのかわからない」という方も多いでしょう。そこでこの記事では、コンクリート打ちっぱなしのメンテナンスや補修方法について詳しく解説しています。
コンクリート打ちっぱなしの補修を検討する際は、ぜひ参考にしてください。
Contents
コンクリート打ちっぱなしにはメンテナンスが必要な理由
コンクリートを打ちっぱなしで仕上げられるのは、建物の構造がRC(鉄筋コンクリート造)やSRC(鉄骨鉄筋コンクリート造)の場合です。
骨組みとなる鉄筋を組んで、型枠にコンクリートを流し込み、コンクリートが固まったら型枠を撤去します。一般的にはコンクリートの表面に塗装やタイルを貼って仕上げます。
打ちっぱなしはコンクリートの質感を活かすために、このような塗装や仕上げを行いません。防水のために仕上げに撥水材が塗装されています。
重厚でクールな質感を楽しめますが、コンクリートの表面を覆うものがないため、風雨や紫外線によるダメージを受けやすく、経年劣化しやすい特徴があります。
またコンクリートのシンプルなデザインは雨染みやヒビが目立ちやすいため、美しい外観を保つためにもこまめなメンテナンスが重要です。
コンクリート壁のメンテナンスが必要な劣化症状4つ
打ちっぱなしのコンクリート壁は、目安として6~7年程度でメンテナンスが必要です。
特に以下の4つの劣化症状が出始めた場合は、すぐに補修を行いましょう。
- ・ひび割れの発生
- ・カビの発生
- ・家の内部への水の侵入
- ・表面に剥げている部分がある
以下それぞれの症状を詳しくご紹介します。
ひび割れの発生
コンクリート打ちっぱなしの外壁に限ったことではありませんが、ひび割れは放置するとどんどん大きくなり隙間から雨が入り込んで躯体を傷める危険性があります。
コンクリートのひび割れで最も多い原因は乾燥収縮によるものです。
コンクリート壁にひび割れが発生すると、ひび割れから雨が浸み込んで雨漏りや、爆裂が起こって建物の構造を傷める危険があります。
またひび割れから雨が入り込んで雨染みが起こると目立ってしまい外観が悪くなります。
参考サイト:外壁のひび割れ(クラック)の原因は?危険度や対処法をわかりやすく解説
カビの発生
コンクリート打ちっぱなしの外壁は、仕上げ材がないため水を吸い込みやすく、雨が降ったあと乾燥しにくい場所では水分が残ってカビが生えやすくなります。
またコンクリートが経年によって中に含まれている水酸化カルシウムが空気の二酸化炭素に触れることで炭酸化が起こり、中性化が進んで元々のアルカリ性が弱くなるとカビが生えやすくなります。
既に防水性が低下していると、雨水が浸み込みやすくなっており、カビが発生します。
家の内部への水の侵入
防水性が低下しカビも発生していると、家の内部まで水が侵入する危険性があります。
家の内部まで水が侵入すると、内部の鉄筋がさびて膨張を起こし表面にひび割れや剥離を起こします。
家の内部の構造にまで影響が出たり、外に大きなダメージが発生すると多額の修理費用が必要です。
コンクリート打ちっぱなし外壁の劣化症状を見つけたら、すぐに対処しましょう。
表面に剥げている部分がある
上でご紹介したように、内部の鉄筋が水に触れると膨張してコンクリートが押し出される爆裂という現象を起こします。そうするとコンクリートの表面が剥がれてしまいます。
こうした表面の剥がれが発生するとそこからどんどん水が入り込んで建物そのものに悪影響を及ぼします。
打ちっぱなしコンクリート壁のメンテナンス方法6つ
打ちっぱなしコンクリート壁のメンテナンス方法には、主に以下の6つがあります。
- ・外壁洗浄
- ・ひび割れ補修
- ・撥水剤を塗布
- ・弾性塗料で塗装
- ・カラークリヤー工法
- ・打ちっぱなしコンクリート描写再現工法
外壁洗浄
ひび割れなどが起こっておらず、カビや汚れが気になる場合、洗浄にて落とすことができます。
カビなどが目立ち始めたら、外壁洗浄をおこないましょう。家庭用の高圧洗浄機で自分で洗浄をおこなうことも可能ですが、できれば業者に依頼する方が良いでしょう。
なぜなら、業者では専用の薬品も使って徹底的に洗浄してもらえるからです。
費用相場としては、水によるものでは1㎡あたり約100~200円、バイオ高圧洗浄では1㎡あたり約200~300円となります。
ひび割れ補修
コンクリート壁のひび割れ補修は、ひび割れの状態によって異なります。
フィラー刷り込みとは、ひび割れが起きた部分にセメントやモルタル、シーリング材などを注入して補修をおこなう方法です。
1.0mmに満たない小さなひび割れの場合は、フィラー刷り込みによって補修します。
一方で1.0mm以上の大きな乾燥ひび割れは、ひび割れが再発しないよう壁をカットしたうえでシーリング材を注入する、Vカット(Uカット)という方法で補修します。
ひび割れのある箇所をVカットして補修材を充填する方法です。構造クラックの場合にはエポキシ樹脂を注入するなどの方法があります。
費用相場としては、1ヶ所あたり約1~2万円です。
撥水剤を塗布
雨水など水の侵入を防ぐには、撥水剤の塗布が効果的です。
撥水剤は無色透明のため、コンクリートの質感を保ったまま防水性を高めることができます。
費用相場としては、1㎡あたり約1,500円です。他の塗料に比べると安価ですが、耐用年数が約3~7年と低いため、こまめなメンテナンスが必要です。
弾性塗料で塗装
弾性塗料は伸縮性に優れた塗料のため、ひび割れの補修に効果を発揮します。
また、通常は下地補修をすると補修痕が残ってしまいますが、弾性塗料であれば補修痕も目立たないようにカバーできます。
しかし、弾性塗料は外壁を塗りつぶしてしまうので、コンクリートの質感は失われてしまいます。
費用相場としては、1㎡あたり約2,700円です。耐用年数は約6-15年です。
カラークリヤー工法
カラークリヤー工法は、カラークリヤー塗料を使った補修方法です。
外壁洗浄を行ったあと撥水材を塗布し、上からカラークリヤー塗料を塗装します。
カラークリヤー塗料は防水性能が高いため、水の侵入やコンクリートの中性化を防止できます。
また、コンクリートに埋まっている鉄筋に錆が発生しないよう、予防もできます。
カラークリヤー塗料は若干の着色はありますが、コンクリートの質感を残すことができます。
費用相場としては、1㎡あたり約3,500円で、耐用年数は約5-10年です。
打ちっぱなしコンクリート描写再現工法
打ちっぱなしコンクリート描写再現工法は、塗装によって打ちっぱなしコンクリートの質感を再現する方法です。
汚れや錆、中性化の予防に高い効果を発揮します。この方法では打ちっぱなしコンクリートの質感を再現しているため、質感が損なわれることはもちろんありません。
質感を維持したまま、耐久性を高めることができます。
しかし、打ちっぱなしコンクリート描写再現工法は高い技術を必要とする方法です。そのため、施工できる業者も限られてきます。
費用相場としては、1㎡あたり約5,000円で、耐用年数は約5-15年です。
打ちっぱなしコンクリート塗装の施工実績
施工実績の中から、塗膜の膨れや剥がれを補修した事例ご紹介します。
塗装前は写真のように汚れの目立つ状態でした。
こちらをセラミクリート工法のカラークリヤー仕上げにて施工します。
打ちっぱなし部分の塗装をご紹介します。
下地にペーパーかけを行い下地調整をします。
シゴキを行い下地を整えていきます。
シゴキとは、ペースト状のややゆるい専用モルタル材を薄塗りして下地を整える作業のことです。
コンクリート打ちっぱなしの壁は、「セラミクリート工法」にて塗装を行います。
プライマーとして吸水防止剤(セラミクリートプライマー)を塗布していきます。
下塗りが終わったら「セラミクリートSi」を吹き付けていきます。
20回以上吹き付けて調整し、打ちっぱなしの質感を再現します。
こちらが施工後の写真です。
現場住所 | 姫路市広畑区 |
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施工内容 | 外壁塗装 |
使用塗料(下塗り) | モルタル部:パーフェクトフィラー、コンクリート部:セラミクリートプライマー | 使用塗料(上塗り) | モルタル部:パーフェクトトップ、コンクリート部:セラミクリートSi |
こちらの施工実績の詳細は下記をご覧下さい。
まとめ
打ちっぱなしコンクリート壁は、コンクリートの質感を残したおしゃれなデザインですが、6~7年の周期でメンテナンスが必要です。
メンテナンス方法としては、以下の6つがあります。
- ・外壁洗浄
- ・ひび割れ補修
- ・撥水剤を塗布
- ・弾性塗料で塗装
- ・カラークリヤー工法
- ・打ちっぱなしコンクリート描写再現工法
メンテナンス方法によって、メリット・デメリットや費用相場は異なります。業者へも相談しながら、適切な方法を選びましょう。
コンクリートの状態に合わせた適切な補修方法を行うことが重要です。
塗装屋小幡では、お客様のご要望に合わせて最適な施工をご提案させていただきます。
姫路市にて打ちっぱなしコンクリートのメンテナンスや補修、塗装をお考えの方は一度ご相談ください。